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月苑飯店

創業70年の歴史に包まれた
喜びの記憶、幸せな思い出

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宜保 安秀

1954年のプラザハウス開業と同時に月苑飯店をオープンするために、香港から初代料理長を招き、私で6代目。4代目までは香港人で、5代目からウチナーンチュが料理長を務めています。

これまで月苑飯店の味を守り続けてこられたのは、先代たちが広東料理の誇りをブレずに残してきてくれたからこそ。創業時からのグランドメニュー「県産若鶏広東香味揚げ」は、70年間継ぎ足してきた秘伝の煮込みダレがいのちです。70年の旨みが重なった奇跡のタレに毎日火を通すため、台風でも停電でも何があっても一番に守り抜きます。

復帰前までは、入り口にはカクテルラウンジがあり、将校たちが集って葉巻をくゆらす姿は、まるでアメリカ映画のようだったと。その様子を間近で見ていた当時を知るスタッフもまだまだ現役で働いていて、皆さん英語を流暢に話しますよ。年配の方に英語を話せる人が多いのは、コザならではかもしれません。時代や歴史を感じる場所にいられることをとてもうれしく思います。

沖縄にはいわゆる町中華の文化はありませんが、お祝い事や記念日などには、家族や親族で丸いテーブルを囲む、そんな情景が似合う月苑飯店です。親子2代、3代にわたってご利用いただく常連の方や、子どものころのエピソードを聞かせてくれるお客さまなど、料理人としてこんなにうれしいことはありません。

もともと和食を学んでいた私が中華料理に転向したのも、幼いころ家族で訪れた中華料理店で一つの皿から料理をシェアする温かさを覚えていたから。中華料理は私にとって家族円満の象徴なんです。

中華を学ぶ者としては、中医学の医食同源を大切にしています。沖縄にも食はヌチグスイ(命の薬)という言葉がありますね。家庭でも旬の野菜が持つ栄養素を意識してほしいという思いを込めて考案したメニュー「琉球薬膳」は、ヘチマ(肌を潤す)やクコ(目の疲れ、美容)、フーロー豆(免疫力アップ)などを、広東料理に仕上げました。

最近は県外の高級レストランから沖縄の魚、アカジンミーバイが注目を浴びているんです。沖縄の中華料理店として、今後はもっと県産の魚も意識して使っていきたいですね。

月苑飯店1
月苑飯店2
月苑飯店3
月苑飯店4

月苑飯店

プラザハウス 1F
電話:098-933-3111
https://phgetsuen.ti-da.net/
定休日:火曜日(ランチのみ営業)
本場広東料理の店。
シャキシャキとした野菜がおいしい春巻きは絶品

月苑飯店5

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