ギリシャのイースターが
教えてくれ ること
パメラ・アン
ギリシャは食、家族、太陽をこよなく愛する国です。ブルーゾーン(※)にあたるギリシャのイカリアで暮らす100歳以上の人たちは、長生きの秘訣に、地中海の食事をする、ヤギのミルクやハーブティーを飲む、昼寝をする、家族や友人を優先するとあげていますが、まさにその通りの生活をしています。
地中海でとれる新鮮な素材やチーズ、オリーブオイルをベースにしたメニューは「地中海ダイエット」として世界的にも知られています。体調の変化に合わせたハーブティーを作り、ハチミツを飲みます。各家庭にはマウンテンティー(1000m以上の高地で育つハーブティー)のオリジナルレシピが伝わっています。
海はからだを清める、エネルギーをもらう場所。私も朝から夕暮れまで、友人と海を眺めながら静かにギリシャコーヒーを飲むのが好きです。
また、ギリシャ人はイースター(復活祭)をとても大切にしています。イースターの40日前から、肉や乳製品などの動物性たんぱく質を控える節食期間に入り、店やレストランでも動物性のメニューは徐々になくなります。
1週間前になると、普段は教会に行かない人も教会へ足を運びます。イースターにあたる日曜日の前後4日間は祝日となり、企業や店、公共機関もすべてお休みに。イースターイブの23時45分ごろ、ローソクを持って教会に向かいます。
日が変わるとみんなで復活を喜び、エルサレムから運ばれた聖火を神父さまから受け取ってキャンドルに灯した聖火を消さないように持ち帰り、玄関で、3回十字架を描きます。ようやく40日間の節食期間が終わります。
その日はマギリッツァ(羊の内臓とレタスのスープ)でお腹を癒しながら、赤く染めたゆで卵を食べます。羊の丸焼きを作る家の庭からは夜通し煙がもくもくと立ち上っています。
イースターの翌日は、あちらこちらで40日分のお肉を食べる準備をしています。家族やご近所と食事をしながら歌ったり踊ったり、ギリシャらしい穏やかな風景。もちろん、どんな料理にもチーズは欠かせません。おつまみに、サラダと和えたり、ほうれん草入りのチーズパイなど、チーズはギリシャ人にとって特別な存在です。
沖縄をはじめ、いのちを慈しみ伝統を重んじる人々のウェルビーイングな生き方を愛しています。
※世界で、生きがいを持つ100歳以上の人が多く暮らす長寿地域のこと
チーザニスタ
プラザハウス 1F
電話:080-8566-0802
https://www.cheeseanista.shop/
定休日:火曜日
沖縄県産の牛やヤギのミルクで作るチーズの店。
店内でギリシャ料理もいただける